GIST診療ガイドライン

胃粘膜下腫瘍(SMT)の治療方針

日本では胃癌の健康診断が浸透しているため、胃粘膜下腫瘍(SMT)の発見される頻度が、欧米に比べて高いことが分かっています。国内施設の例では、内視鏡検査例の約3%がSMTとされており、そのなかには悪性のものも含まれています。
診療アルゴリズム

GIST 生検 生検 CT SMT
  • a.内視鏡下生検の病理組織診断により、上皮性病変等を除外する。漿膜側からの生検は禁忌。
  • b.潰瘍形成、辺縁不整、増大。
  • c.経口・経静脈性造影剤を使用し、5 mm スライス厚以下の連続スライスが望ましい。
  • d.EUS-FNAB 施行が望まれるが、必須ではない。
  • e.CT で壊死・出血、辺縁不整、造影効果を含め実質の不均一性、EUS で実質エコー不均一、辺縁不整、(リンパ節腫大)。
  • f.術前組織診断が出来ていない場合は、術中病理診断を行うことが望ましい。
  • 有症状または腫瘍径5.1cm以上のSMTは外科手術が強く推奨されます。
  • 腫瘍径2cm未満のSMTは、無症状かつ悪性でない場合には経過観察が推奨されます。経過観察期間中は年1~2回、内視鏡検査±超音波内視鏡検査の実施が推奨されます。
  • 腫瘍径2cm以上5cm以下のSMTに対しては、悪性であると推定される場合には外科手術を行うことがあります。また、EUS-FNAB(超音波内視鏡下穿刺吸引生検 )でGISTが確認された場合には外科手術が強く推奨されます。

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