GIST診療ガイドライン
GIST治療マニュアル(1) 外科治療
組織診断によりGISTと確定された場合には、まず外科治療が第一選択となります。

- a.病理組織診断がついていること。
- b.病理組織診断による評価。
- c.Clinically Malignant とは転移、偽被膜破損、腹膜播種、他臓器浸潤などを有する場合。
- d.中リスクGIST に対するイマチニブアジュバント治療の有効性は確立していない。EORTC/AGITG/FSG/GEIS/ISG 研究から、イマチニブ2 年間のアジュバント治療が、中リスクGIST 全体において全生存を改善するとは言えない。
- e.Z9001 研究並びにSSGⅩⅧ研究において3 年までの術後イマチニブ投与の安全性が確認されている。 SSGⅩⅧ研究においては3 年の術後イマチニブ投与によりprimary endpointの無再発生存率、secondary endpoint である全生存率の改善が示唆された。
- 初発のGISTでは、まず外科切除が第一選択です。初発のGISTに対する外科治療の成績は良好で、完治の可能性のある治療法です。
- GISTの腫瘍径の大きさや、細胞分裂の頻度などの検討から、再発のリスクが高いと考えられる場合には、切除後3年は4~6ヵ月に1回、5年までは6ヵ月に1回、その後10年までは1年に1回程度の、CTによる検査で、再発がないかをチェックします。また、術後補助化学療法が検討されます。
- GISTの腫瘍径などからリスクが中程度または低いと判断される場合には、切除後5年は6ヵ月~1年に1回、それ以降は1年に1回程度のCTによる検査を行います。
- 切除ができない場合や不完全な場合、新たな転移病変が発見された場合には、イマチニブによる薬物治療を行います。