GIST診療ガイドライン

イマチニブ耐性GISTの治療

イマチニブ耐性GISTでは、スニチニブ投与またはイマチニブの増量が考慮されます(注)。

PS イマチニブ イマチニブ スニチニブ イマチニブ耐性 BSC TKI
  • a.イマチニブ投与開始180日までの一次耐性では、GIST診断の再確認を行う。c-kit やPDGFRA 遺伝子変異の確認を行うことが望ましい。
  • b.多数ある転移病巣中、1~2 個の病巣だけがイマチニブ耐性を示した場合。
  • c.少数の病巣の増悪で、すべての耐性部分が切除可能であるイマチニブ耐性GISTに対して、外科切除、TAERFAなどでイマチニブ耐性病変を治療した後、イマチニブ治療を継続する。PFS の延長は8~10 ヵ月程度で、全生存期間への影響は未確認である。本治療は肉腫専門病院で臨床試験として行われるべき治療である。
  • d.スニチニブ耐性時、部分耐性病変に対する局所治療とスニチニブ治療(またはイマチニブ治療)の報告はあるがPFSの延長はごく短期間で、全生存期間への影響は未確認である。本治療は肉腫専門病院で臨床試験として行われるべき治療である。
  • e.TKI に耐性になった後も、比較的PSが良ければ忍容性の高いTKIを継続あるいは再導入すれば、何もしないよりQOLや予後が相対的に良いという報告がある。
  • イマチニブ耐性GISTに対しては、スニチニブやイマチニブの増量が検討されます(注) 。
  • 耐性病変が局所に限定されている場合には、外科切除や、TAERFAなどの処置を実施することもあります。ただし、治療後には薬物治療を継続することが必要となります。
  • スニチニブ耐性GISTに対しては、レゴラフェニブの投与が推奨されます(2013年8月20日に使用が可能になりました)。

注)*イマチニブ増量は、国内では保険適応外の処方となります。

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