薬剤治療中の患者様へのアドバイス
グリベック®服用中の患者様へのアドバイス〜副作用
質問と回答
主な副作用にはどのようなものがありますか?
よくある副作用として、下記のようなものがあります。
吐き気 | グリベック®の副作用で最も多いのは軽度の吐き気で、ときに嘔吐や腹痛を伴います。 |
---|---|
皮膚の発疹 | 皮膚が赤くなったり、かゆみが出ます。 |
むくみ・体重増加 | 体重が増加したり、目の周りや足などにむくみが起こる場合があります。 |
下痢 | おなかの調子が悪くなり、下痢が起こることがあります。 |
発熱、重度の悪寒(おかん)(ふるえ)、 のどの痛み、口内炎など | 血液中の白血球数が減少して、風邪などの感染症にかかりやすくなる可能性があります。 |
筋肉痛・筋痙攣 (けいれん) | 軽度の筋肉痛や筋痙攣(けいれん)が起こることがあります。 |
腹痛 | 痛みが続く場合や激しい場合は、腫瘍部分から出血している可能性があります。 |
貧血 | 貧血が起こる場合は、腫瘍部分から出血している可能性があります。 |
また、上述の副作用以外についても、すこしでもおかしいと思う症状があらわれた場合には、すぐに主治医の先生へご連絡下さい。
重篤な副作用にはどのようなものがありますか?
頻度は高くありませんが、下記のような重篤な副作用が報告されています。
- 骨髄抑制
(汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血) - 出血
(脳出血、硬膜下出血、消化管出血) - 腫瘍出血、消化管穿孔
- 肝機能障害、黄疸、肝不全
- 重篤な体液貯留
(胸水、肺水腫、腹水、心膜滲出液、心タンポナーデ、うっ血性心不全) - 感染症
(肺炎、敗血症等) - 重篤な腎障害
- 間質性肺炎、肺線維症
- 重篤な皮膚症状
(皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎、多形紅斑) - ショック、アナフィラキシー様症状
- 心膜炎
- 脳浮腫、頭蓋内圧上昇
- 麻痺性イレウス
- 血栓症、塞栓症
- 横紋筋融解症
なかでも、骨髄抑制や出血、腫瘍出血・消化管穿孔、間質性肺炎・肺線維症、重篤な皮膚症状、麻痺性イレウス(腸管麻痺)などに注意が必要です。すこしでもおかしいと思う症状があらわれた場合には、すぐに主治医の先生へご連絡ください。
髪の毛が抜ける副作用はありますか?
臨床試験において、1日600mgを服用した例で、脱毛の副作用が報告されています。GISTにおける通常使用量の1日400mgではそのような報告はありませんが、もし脱毛がみられた場合には、主治医の先生へご相談ください。