GIST診断・治療アップデート(2003年)
4. GISTの治療方法~悪性とは~
4-1. 悪性化の定義
POINT
悪性化の基準となる臨床病理学的因子は5cm以上の腫瘍径,周囲臓器浸潤,血行性転移(ほとんど肝臓),腹膜播種(腫瘍破裂),強拡大の50視野当たり5個以上の腫瘍細胞分裂像数である。これらのうち1つ以上に該当するものは悪性GISTと判断してよい(表4-1,表4-2)。
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4-2. 悪性予測因子
POINT
悪性化の基準となる因子は5cm以上の腫瘍径,周囲臓器浸潤,血行性転移,腹膜播種(腫瘍破裂),5/50HPF以上の腫瘍細胞分裂像数である。
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4-3. 評価基準
POINT
GISTでは良性悪性を分けるよりもリスク分類されることが多い(表4-1,表4-3を参照)。
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4-4. 予 後
POINT
GISTの予後はリスク群により異なるが,一般に30~40%程度が悪性の経過をたどりうると考えてよい。
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4-5. 外科治療
POINT
臨床的には腫瘍径2cm以上は相対的手術適応,5cm以上は積極的(絶対的)手術適応。病理組織所見が術前に得られたならば,≧5/50HPFは相対的手術適応,≧10/50HPFは積極的(絶対的)手術適応。
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4-6. 初発治療
POINT
初期治療の原則は外科的局所切除である。転移が存在しても,転移巣を含め積極的な外科的切除が勧められることが多い。
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4-7. 再発治療
POINT
再発GISTの治療の原則はイマチニブの使用である(ただし2003年3月現在本邦未承認)。使用中であってもあるいはなくても,再発腫瘍で合併症の危険を伴う場合は積極的外科治療を考慮する。肝動脈塞栓術は腫瘍のコントロールに有用である。イマチニブを使用しなかった場合,再発進行GISTのPDになるまでの期間の平均的中央値は1.5ヵ月である。イマチニブ使用時には再発進行GISTのPDになるまでの期間は12ヵ月以上である。
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